演目名:陵王
天宮神社十二段舞楽は、毎年4月第一土・日曜日に天宮神社で奉納されます。
第九番『陵王』は、中国に実在した武将の伝説を基に生まれました。この武将は美しい声と美貌の持ち主でしたが、士気を高めるため必ず獰猛な仮面を着けて出陣しました。その後の戦いで、この武将の軍は次々と勝利しました。その武勲にあやかり、舞が作られたと伝えられています。
この舞は、舞人が腰を曲げたり仰け反ったりする動きが特徴です。この所作は、武将が馬に乗り指揮をとる様子を表しています。また、右手に持つ桴(バチ)は馬を操る鞭を表しています。
途中で舞の拍子が変わったり、舞の途中で無伴奏になったりすることも特徴です。
森町は静岡県西部に位置し、町北部に緑豊かな森林が広がり、その森林を源とする太田川が町を南北に流れています。この川の流れが肥沃な土壌を生み、中心部から南部にかけて市街地や田園を形成し、甘柿の代表的品種「次郎柿(治郎柿)」の原産地であるほか、茶や米、レタス、とうもろこしの栽培など、大地の実りに恵まれています。
この太田川流域は、古代から豊かな生活空間が形作られており、森町には遠江国一宮が祀られ、これを中心に多くの由緒ある神社・寺院が置かれるとともに、芸能等も流入、都の文化が根付きました。
大正12年、森町を訪れた地理学者の志賀重昂が、三方を小高い山々に囲まれ、町の中央を太田川が流れ、どこか京都に似た風情をもつこの町を「小京都」と称賛し、以来「遠州の小京都」と呼ばれるようになりました。
森町は「遠州の小京都」として、京都に似た地形の中に、京都祇園祭の舞様を伝える「山名神社天王祭舞楽」など数多くの歴史と文化を継承しており、今も脈々とその伝統を受け継いでいます。
友田家住宅
治(次)郎柿
遠州森の茶
小國神社