地域で伝統芸能の公演を実施する上で必要な、衣装や用具、舞台道具の製作や観光誘致の宣伝など、
その行事を支えている団体や個人に贈られます。
石見神楽面の製作
石見神楽面は、石見地方の伝統芸能の一つである石見神楽舞の面として、江戸時代末期より作られています。神楽が神職を中心に舞われていた江戸時代には木彫りの面が使用されていましたが、長浜人形に携わる人形師によって漆工の技法(脱活乾漆)を応用し、現在の和紙の面となりました。粘土型の上に強靭な石州和紙を柿渋入りの糊で幾重にも張り合わせ、乾燥したところで粘土を壊して彩色していくという全国的にも数少ない過程を経ます。この彩色の際の表情づくりが一番難しく、鬼の面であればいかに恐ろしくさせるか、また姫の面であればいかに可愛らしくさせるかが職人の腕の見せどころです。
材料となる石州和紙はこの地方で産出されるもので、強靭さで知られています。
今日では、神楽のみでなく新築や店の開店祝いなどの魔よけとして、また縁起物や室内装飾としても珍重され用途を広めています。
浜田市は島根県西部の日本海を望む位置にあり、東は江津市、邑南町、西は益田市、南は広島県に隣接しています。全国に誇れる海、山などの美しい自然と、石見神楽やユネスコの無形文化遺産に記載された石州半紙などの伝統文化、海水浴場、しまね海洋館アクアスなど豊かな自然を活かした観光資源を有しており、また、高速道路、港湾などの都市基盤や大学、美術館をはじめとする教育文化施設が充実した、人と文化と自然の調和のとれた島根県西部の中核都市です。
浜田漁港(マリン大橋)
石見神楽(大蛇)